Q3 遺産分割は,相続税申告納付期限までにしなければならないのでしょうか?

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A (1)相続税の対象となる課税遺産総額は,次のようにして計算されます(相続税法15条)。  課税価格の合計額-基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)=課税遺産総額  例えば,法定相続人の数が4人の場合には,基礎控除額が5,000万円+1,000万円×4名で9,000万円となるので,被相続人の遺産がこの金額を上回らなければ相続税の心配をする必要はないということになります。  なお,相続税の計算について詳しくは,国税庁HP「相続税の計算」(http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4152.htm)をご覧下さい。 (2)課税遺産総額がプラスとなる場合,先の例で言えば被相続人の遺産が9,000万円を超えるようなときには,相続税の申告納付を行う必要があります。  そして,その申告納付は,その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります(相続税法27条,33条)。 (3)しかし,遺産分割は,この期限内に終わらせておかなければならないものではありません。  遺産分割未了の場合には,遺産分割未了として,相続税の申告納付を行えばよいからです。  ただし,相続税の申告納付期限までに遺産分割が完了した場合には以下のようなメリットがあります。 (4)相続税の申告納付期限までに遺産分割が完了した場合,相続税の納付額に関し,「配偶者の税額の軽減」と「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」のメリットを享受できることがあります。  「配偶者の税額の軽減」とは,被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が,1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度(相続税法19条の2)で,その詳細は国税庁HP「配偶者の税額の軽減」(http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4158.htm)をご覧下さい。  「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」個人が,相続又は遺贈により取得した財産のうち,その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち,一定の選択をしたもので限度面積までの部分(小規模宅地等)については,相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上,一定の割合を減額するという特例(租税特別措置法69条の4,同法施行令40条の2)で,その詳細は国税庁HP「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」(http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm)をご覧下さい。 (5)その意味では,相続税の申告納付までに遺産分割が完了することに一定のメリットがあるのですが,他方で,相続税の申告納付の際に遺産分割未了の場合であっても,申告納付期限から3年以内に遺産分割が完了すれば上記特例のメリットをいずれも享受することができます(相続税法19条の2第2項,租税特別措置法69条の4第4項)。 (6)ですから,相続税の申告納付までに終わらせたいと焦って納得できない遺産分割協議を行うよりは,3年以内に終わらせられればメリットを享受できると開き直って,納得できるまで遺産分割協議を行ったほうがよいといえるでしょう。

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