神奈川県暴力団排除条例 4

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2011.4.16
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神奈川県暴力団排除条例 4

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 神奈川県暴力団排除条例制定に伴い,各企業(事業所)は,どのような対応が必要となるのでしょうか。

 この問題について考えるには,平成19年6月19日に公表された,犯罪対策閣僚会議の下に設置された「暴力団資金源等総合対策に関するワーキングチーム」策定の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」について理解する必要があります。
 その全文については,「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」」 ,「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」 をご参照ください
(もっとも,ここではその説明は割愛させていただきます。)。

 この企業指針策定・公表後の企業活動からの暴力団排除の取組の現状と課題については,平成22年12月9日に公表された,犯罪対策閣僚会議の下に設置された「暴力団取締り等総合対策に関するワーキングチーム」策定の「企業活動からの暴力団排除の取組について」が簡潔にまとまっているので,その記載について以下に紹介します。
(1) 証券業界,銀行業界及び建設業界では,次のような取組が進められていること
・ 証券業界
 日本証券業協会が不当要求情報管理機関に登録されたほか,取引約款等への暴力団排除条項の導入の義務付け等を盛り込んだ自主規制規則を制定するなど,証券取引等からの暴力団排除の取組を推進している。
・ 銀行業界・建設業界
 全国銀行協会が,建設業界では社団法人日本建設業団体連合会が,それぞれ暴力団排除条項のモデルを作成し、会員にその導入を要請するなどしている。
(2) 一部の地方公共団体での取組
 一部の地方公共団体の取組では,公共事業等(公共事業,測量,建設コンサルタント業務等の委託,役務の委託,物品,資材等に係る公共調達並びに国公有財産の売却,貸付け等おける企業評価に当たり,暴力団排除意識の高い企業に対し,高い評価を与える措置を導入していること
(3) しかし,他方で,アンケート調査の結果,指針を受けて暴力団排除条項を導入している(又は導入を予定している)企業は約2割にすぎず,取組が遅れている業界があること,特に中小規模の事業者における取組が立ち後れていること

 なお,「企業活動からの暴力団排除の取組について」の全文については, 「企業活動からの暴力団排除の取組について(本文)」,「同(概要)」 をご覧ください。

 このように,既に全国レベルにおいて,各企業(事業者)は,暴力団排除活動に取り組むことが要請されているところであり,神奈川県暴力団排除条例が制定されたことで大きな変化はないとはいえます。
 しかし,神奈川県暴力団排除条例の第22~26条は特定の行為について規制する規定を置いているため,企業(事業者)においては,とりわけ上記条項に該当する行為については取引の際に必ず気をつけなければならないことが要請されていることになります。
 
 しかも,上記各条項に違反した場合,公安委員会による調査又は勧告を経た上でではあるものの,公表されるリスクを抱えることになります(第28条)。

 そのため,各企業(事業者)においては,暴力団排除活動により強く取り組むべきことが要請されるようになったといえます。
 なお,上記指針や神奈川県暴力団排除条例に違反した場合には,それにより企業(事業所)に損失が生じたようなときに,取締役等は株主代表訴訟等のリスクも負うことになるので,注意が必要です。

 なお,現在では,暴力団等の反社会的勢力との取引を中止すべきことが求められている段階ですが,いずれは,暴力団等の反社会的勢力との取引をしている企業(事業所)との取引禁止が要請されるような時代が到来するものと,個人的には思っています。

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