横浜弁護士会川崎支部の課題

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2011.8.13
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横浜弁護士会川崎支部の課題

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 本年度の横浜弁護士会川崎支部執行部は,平成23年4月8日(金)に開催された横浜弁護士会川崎支部通常総会において,
川崎地域を中心に,市民にとって身近で頼りがいのある司法の実現を目指す」という基本方針を掲げ,その基本方針のもと,当面の実現すべき具体的な課題として,
① 川崎市民に対する法的サービスの拡充
② 川崎法律相談センターの相談体制の充実
③ 裁判所支部管内の司法基盤の拡充,本庁との格差是正
④ 支部会員の研鑽
⑤ 平成23年3月11日に発生した東北関東大震災によって被災した方々への法的支援

等を掲げています。

 横浜弁護士会川崎支部においては,弁護士数が150名を突破し,川崎地域を中心とした法的要請に応えることのできる力を身に付けてきており,上記①の課題(川崎市民に対する法的サービスの拡充)及び②の課題(川崎法律相談センターの相談体制の充実)は克服しつつあるように思います。

 ロースクール制度導入等に伴い弁護士数が激増し「質の低下」もいわれるようになった現在,弁護士会としては弁護士が一定の質を保つことにも配慮する必要があることから,上記④の課題(支部会員の研鑽)が求められるようになってきたところですが,当支部においては研修委員会を発足させ,同委員会が裁判所等とも協力しながら実務に役立つ研修会を活発に開催するようになってきており,この課題も克服しつつあるように思います。 
 さらに,上記⑤の課題(平成23年3月11日に発生した東北関東大震災によって被災した方々への法的支援)についても,横浜弁護士会内に設置された東日本大震災対策プロジェクトチームに当支部会員が多数参加するなどしており,この課題にも取り組んできております。

 しかしながら,上記③の課題(裁判所支部管内の司法基盤の拡充,本庁との格差是正)だけは,その克服が見えるどころか,その克服のための筋道すら見えてこない,というのが現状です。

 司法制度改革のおかげで弁護士数は激増したにもかかわらず,裁判官や検察官の数はほとんど増員されていないため,地域司法が充実しているとも充実する方向に向かってとも到底言えません。
 むしろ,裁判員裁判が始まり,裁判員裁判を行うところに人員が集中し,裁判員裁判を行わない横浜地方裁判所川崎支部のようなところでは,司法制度改革以前よりも司法機能が弱体化していっているとさえ言われています。
 
 横浜地方裁判所川崎支部は,同相模原支部と並んで,政令指定都市でありながら裁判員裁判を実施しておりません。
 政令指定都市でありながら,裁判員裁判を行っていないのは,全国でこの2カ所だけです。
 また,近時,利用が激増している労働審判についても,横浜地方裁判所川崎支部においては実施されておらず,川崎市内の職場に勤める労働者が労働紛争の場合にわざわざ横浜市中区まで出かけなければならないことになっています。

 川崎地域の司法充実という課題は,弁護士会だけで何とかなるわけではありませんし,最高裁判所を頂点としたピラミッド型の組織となっている裁判所の場合,横浜地方裁判所川崎支部の意向だけで決められることはきわめて限定されているようであり,同所の意向だけで何とかなるものでもありません。
 そのため,この課題の克服は大変ですが,一歩一歩進めていくことが求められるのだと思います。
 

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