横浜弁護士会川崎支部と地域司法 6

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2011.12.11
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横浜弁護士会川崎支部と地域司法 6

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 管轄等をめぐる問題については,これまで「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 2」「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 3」「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 4」「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 5」に,それぞれ記載したとおりです。

 これまでの記載から,川崎市民の方にあっては,以下の事件については,川崎市内にある裁判所(横浜地裁川崎支部)においては取り扱ってもらえず,横浜市中区のみなとみらい線日本大通り駅そばの横浜地裁本庁まで通わなければならないことになります。
(1)労働審判事件
(2)行政事件
(3)第1審を簡裁とする民事控訴事件
(4)裁判員裁判事件


 このうち,(2)行政事件(3)第1審を簡裁とする民事控訴事件については,地裁支部で取り扱われた例がなく(東京地裁立川支部のような大規模支部でも実施されていません。),少なくとも当面は横浜地裁川崎支部で取り扱うようになる日がくるとは思えないところです。
 しかし,(1)労働審判(4)裁判員裁判については,取り扱うことが認められている支部もあり,管轄人口が140万人を超える横浜地裁川崎支部で取り扱わない合理的な理由はないといってよいでしょう。

 裁判員裁判を川崎支部でも実施すべきことについては,再三触れている「神奈川の司法10の提案 2010」に詳しいので,以下,その記載を引用します。

3 裁判員裁判を川崎支部でも実施しよう!
 神奈川県での裁判員裁判は,横浜地裁本庁と小田原支部の 2 箇所で行われています。

 裁判員裁判は,戦後初めて国民の司法参加を実現したものであり,民主主義の観点からする意義は大きいと言えます。
 しかし,被告人の防御権が十分に保障される制度になっているかというと多くの問題点を抱えています。保釈が認められない中での連日的開廷は,被告人・弁護人の負担を大きくします。公判前整理手続も被告弁護側には大きな負担です。
 足利事件からは,取調の全面的な可視化の必要が明らかとなったと言えます。法曹三者がそれぞれ,あるいは法曹三者が協力して,裁判員裁判を検証し,神奈川県内の裁判員裁判をよりよいものにしていく必要があります。
 
 そして,裁判員制度が,これから,県民の中に広く根を張っていくためには,小田原支部以外の支部においても裁判員裁判が行われるようにすべきだと思います。
 なかでも横浜地裁川崎支部においては,横浜弁護士会川崎支部が裁判員裁判の導入を求めて支部の総会で決議をしています。
 すなわち,横浜弁護士会川崎支部の会員数は,平成 22 年 6 月時点で 127 名に達し,同県西支部の 86 名を上回っているほか,川崎市は人口が 140 万人を越える政令指定都市であるところ,全国の政令指定都市の中で,裁判員裁判を実施していないのは川崎市と相模原市のみです。

 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の附則第 3 条は,「国は,裁判員の参加する刑事裁判の制度を円滑に運用するためには,国民がより容易に裁判員として裁判に参加することができるようにすることが不可欠であることにかんがみ,そのために必要な環境の整備に努めなければならない。」としています。
 当該地域に居住する市民が当該地域の裁判員裁判に関与することが望ましいことは言うまでもなく,このような環境整備の一環として,まず横浜地裁川崎支部における裁判員裁判の速やかな実施を求めたいと思います。」

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