横浜弁護士会川崎支部と地域司法 10

spacer_line
2011.12.15
spacer_line

横浜弁護士会川崎支部と地域司法 10

spacer_line

 簡裁でどのような事件が取り扱われるかについては,「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 4」に,家庭裁判所の本庁・支部と出張所では,どのような事件が取り扱われることになるのかについては,「横浜弁護士会川崎支部と地域司法 9」に,それぞれ記載したとおりです。

 地裁支部がある場所には家裁支部が同じ建物内か又は併設されますので,家裁出張所が設置される場所というのは,地裁支部はなく,簡裁しか設置されていません。
 そうすると,次のような不都合が生じることが,簡裁と家裁出張所しかない千葉県弁護士会京葉支部から指摘されています。
 いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)を理由として離婚を申し立てるような場合には,配偶者等の暴力が継続することを防止するために,DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)に基づく接近禁止命令等の保護命令を申し立て,その申立てが認容されるのを待って,離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てることがあります。
 この場合,保護命令の管轄は地裁本庁又は支部となり,夫婦関係調整調停の管轄は家裁出張所となります。
 夫婦関係調整調停を申し立てる場合で,相手方が婚姻費用を支払う余力があるような場合には,併せて,婚姻費用分担調停を申し立てることもあります。
 しかし,夫婦関係調整・婚姻費用分担の両調停が当該家裁出張所で不調に終わった場合,婚姻費用分担調停はそのまま審判に移行し,当該家裁出張所で審理されますが,当事者が離婚を求める場合,家裁本庁又は支部に離婚訴訟を提起する必要があります。
 簡裁と家裁出張所しかなく,地家裁支部がないとすると,このような問題が生じるわけです。

 とはいえ,当事者の方からすれば,全部の手続を身近な裁判所で行うことがかなわなくとも,一部は身近な裁判所で行えるわけで,簡裁と家裁出張所がないよりは,はるかに良いとはいえるでしょう。

ページの先頭へ戻る