弁護士数の増加と川崎支部を巡る問題 5

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2011.12.24
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弁護士数の増加と川崎支部を巡る問題 5

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 「弁護士数の増加と川崎支部を巡る問題 2」で取り上げた日弁連の記者会見資料によれば,本年度,司法研修所を卒業し,裁判所・検察庁に任官(それぞれ,任官・任検というように言われます。)していないにもかかわらず,弁護士未登録となった者(昨年登録の新63期の任官者・任検者数と,新64期弁護士登録者を合計した推計値を,新64期等修習終了者から差し引いた推計値)が,404名にのぼっています。
 昨年度はその半分であり,私が弁護士登録した平成17年10月当時には,このような未登録者の存在はほとんど聞いたことがなかったので,弁護士の就職事情が急激に悪化していることがうかがえます。

 弁護士は,法律事務所において「イソ弁」(居候弁護士の略)として,いわゆる「ボス弁」から給与を支給される一方で事務所の事件を経験しスキルアップを図ることが一般的です。
 司法試験は基本的な法律知識を試す試験にすぎず,実務において必要な技能の習得は司法修習中に行われますが,司法修習中において学ぶ技能は必要最小限どのものにすぎない上,そもそもその修習期間が1年に短縮されている現在,従来以上に,法律事務所において,業務をこなしながら技能を習得すること(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が求められています。
 「イソ弁」というのは,「ボス弁」等の指導を受けながらスキルアップを図ることができる,オン・ザ・ジョブ・トレーニングにとってもっともふさわしい採用制度といえます。

 しかし,近時は,登録こそできたものの,いわゆる「軒(ノキ)弁」として法律事務所に籍はあるものの給与が支給されないパターンでしか採用してもらえないことが増えています。
 それでも同じ事務所のその業務のやり方を見ることができる上,先輩等の業務を共同受任することもあるため,生活の安定の面はさておき,オン・ザ・ジョブ・トレーニングを積むことも可能でしょう。

 ところが,現在は,この「軒(ノキ)弁」ですら就職できない方が増加し,司法修習終了後直ちに独立して弁護士として開業する,いわゆる「即独」も増加しているといいます。
 この「即独」では,オン・ザ・ジョブ・トレーニングを積むことがほとんど期待できません。

 幸いにして,川崎支部においては,まだ,この「即独」の方はいません。
 しかし,現在の弁護士数の激増からすれば遠からず「即独」の方も出るでしょう。
 現在,川崎支部においては,支部研修委員会を立ち上げ,当委員の会員の方々には,会員のための研修会を実施してもらうなどしていますが,今後は,ますますこのような活動が求められるようになるでしょう。

 

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