(15)休業損害

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ア (C)赤本基準  (C)赤本では,次のように記載されています。 「1 有職者  (1) 給与所得者  事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とする。 現実の収入減がなくても,有給休暇を使用した場合は休業損害として認められる。  休業中,昇給,昇格のあった後はその収入を基礎とする。休業に伴う賞与の減額,不支給,昇給・昇格遅延による損害も認められる。  (2) 事業所得者  現実の収入減があった場合に認められる。なお,自営業者,自由業者などの休業中の固定費(家賃,従業員給料など)の支出は,事業の継続・存続のために必要やむをえないものは損害として認められる。  (3) 会社役員  会社役員の報酬については,労務提供の対価部分は休業損害として認容されるが,利益配当の実質をもつ部分は消極的である。  2 家事従事者  賃金センサス*22第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎として,受傷のため家事労働に従事できなかった期間につき認められる(最判昭和50年7月8日/交民8・4・905)。  パートタイマー,内職等の兼業主婦については,現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出する。  3 無職者  (1) 失業者  労働能力及び労働意欲があり,就労の蓋然性があるものは認められるが,平均賃金より下回ったところになろう。  (2) 学生,生徒等  原則として認めないが,収入があれば認める。就職遅れによる損害は認められる。」。 イ (A)自賠責保険支払基準  (A)自賠責保険支払基準では次のように規定されています。  「休業損害  (1) 休業損害は,休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に1日につき原則として5,700円とする。  ただし,家事従事者については,休業による収入の減少があったものとみなす。  (2) 休業損害の対象となる日数は,実休業日数を基準とし,被害者の傷害の態様,実治療日数その他を勘案して治療期間の範囲内とする。  (3) 立証資料等により1日につき5,700円を超えることが明らかな場合は,自賠法施行令第3条の2に定める金額を限度として,その実額とする。 」。 ウ (B)旧任意保険統一支払基準  (B)旧任意保険統一支払基準では,次のように規定されています。 「(1) 有職者  現実の収入減とする。  その額は,休業損害証明書,公的証明書等を参考に認定する。  休業損害の対象となる日数は,実休業日数を基本とし,傷害の態様,実治療日数等を勘案して治療期間の範囲内の妥当な日数とする。  (2) 家事従事者  現実に家事に従事出来なかった日数に対して,収入の減少があったものとして,1 日につき 5,700 円とする。  家庭内の地位,及び家事労働の実態等を考慮してこれを超える金額を認定することが妥当な場合は,その額とする。  (3) 損害賠償額が自賠責保険額を下回る場合は,自賠責基準による。  (4) 収入が労働の対価と見なされない場合は,休業損害を認定しない。  (5) 公序良俗に反する収入は,認定しない。  (6) 公租公課は年収 2,000 万円以上の場合,控除する。 エ 比較  (A)自賠責保険支払基準と(B)旧任意保険統一支払基準とはほぼ同じといってよいでしょう。  無職者の場合に一定額を損害として認めるか認めないか,家事従事者の場合の金額等について,(A)自賠責保険支払基準及び(B)旧任意保険統一支払基準と(C)赤本基準との間では差が生じます。
*22 「賃金センサス」  特定の社会事象について,特定時点で一斉に行われる全数調査(官庁の行う大規模調査)をセンサスといいます。  そのセンサスのうち,わが国の賃金に関する統計として最も規模の大きい「賃金構造基本統計調査」を「賃金センサス」といいます。  この「賃金センサス」は,主要産業に雇用される常用労働者について,その賃金の実態を労働者の種類,職種,性別,年齢,学歴,勤続年数,経験年数別等に明らかにし,わが国の賃金構造の実態を詳細に把握することを目的として,昭和23年から毎年実施されている賃金構造基本統計調査の結果をとりまとめたものです。  賃金センサスにおいては,男女別,学歴別等により計算ができるようになっています。  たとえば, 家事従事者の休業損害の算定に算して用いられることの多い,賃金センサス平成20年第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均の賃金額は349万9,900円であり,日額換算だと約9,588円になります。

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